本記事は、クリプトリンク株式会社による寄稿記事となります
執筆者:クリプトリンク株式会社 代表取締役 酒井 孝幸
(監修:税理士法人ファシオ・コンサルティング 代表・税理士 八木橋 泰仁)
本日(2月16日)より確定申告が始まります。
今年は緊急事態宣言発令のため、申告期限が3月15日から4月15日に延長されておりますが、御自身のペースで確定申告を行ってください。
▼国税庁(報道発表資料)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kansensho/pdf/0021002-018_1.pdf
確定申告の詳細な方法については、こちらに記載しておりますのでご確認いただければと思います
本記事では、確定申告を行う上で必要な、暗号資産の損益計算方法について詳しくご紹介をします。
以前の記事でも計算方法をご紹介しましたが、総平均法で計算を行った場合、収支の金額が想像していたものと違っていたと感じられた方もいらっしゃったのではないかと思います。
1年のうちに取得した暗号資産をすべて年内に売却している場合は、想定に近い収支が出ているかと思いますが、通貨をすべて売却せずに一部または全部を所持したまま年を越えた方で、購入と売却を定期的に行っているような方は、総平均法で計算すると想定と大きく異なった収支になることがあります。
例えば、毎月定期的に購入と売却を行っているような取引をされている場合
(例)毎月1日に1BTCを購入して 翌日2日に1BTCを売却。12月だけ3日に1BTCを購入して、売却せずに年を越した。
移動平均法で計算をすると、購入した通貨を翌日に売却するので以下のような結果になり、収支は【35,440円の利益】となります。
比較的想定と近い収支になるのではないでしょうか。
一方、同じ取引を総平均法で計算すると以下のようになり、収支は【761,379円の損失】となります。
※売却額:13,448,120 – (売却数:12 × 取得単価:1,184,124) = ▲ 761,379
総平均法で計算をする場合には、購入した通貨と、売却した通貨をまとめて上記のように計算を行うため、想定と異なる収支が出ることがあります。
(2020年のように相場が右肩上がりとなった場合や、逆に下がり続けている場合に、両者の計算結果の差が大きくなります)
これだけ見ると総平均法での計算の方が有利では?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、繰り越した通貨の取得単価が移動平均法と総平均法ではそれぞれ以下のようになっており、総平均法では翌年以降に利益が大きく出て、長い目で見れば最終的には収支は合計で同じになります。
・繰越する1BTCの取得単価
- 移動平均法の場合:1,980,944円
- 総平均法の場合:1,184,125円
仮に 2021年に1BTCを300万円で売却した場合を見ると
・移動平均法の収支:1,019,056円 の利益 (2020年の収支35,440円との合計:1,054,496円 )
・総平均法の収支:1,815,875円 の利益 (2020年の収支▲761,379円との合計:1,054,496円 )
以上のように、2020年と2021年の合計は同じ収支になります。
このように、毎年お持ちの通貨を0にする場合には、計算方法については特に気にする必要はありませんが、通貨を売却せずにお持ちになりたいという方は、御自身のトレードの方法に合わせて計算方法を選択されることをおすすめいたします。
※2019年から暗号資産の投資をされていてすでに確定申告をされている方は、届出をされていない場合には総平均法での計算で申告したとみなされており計算方法は変更できません。
クリプトリンクではWebで完結する暗号資産収支計算ツール「クリプトリンク」を提供しております。移動平均法、総平均法でそれぞれ収支を確認してみたい!という方はぜひご利用になってみてください。
※本記事は、クリプトリンク株式会社による寄稿記事となります。本文にかかわる諸事項につきましては、下記のお問い合わせ窓口、もしくは税理士等の専門家にお問い合わせください。
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